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皆月ななな
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ボツ作品「女装コスプレイヤーのおっさんと美人OLが入れ替わった話の途中までしかかけなかったやつ」を公開します(3800文字)

鏡台に向かい、一人の女性が化粧をしていた。

年は20代前半ぐらいだろうか。肌はみずみずしく顔立ちは整っており、小柄だったが、それでいて胸など女性らしいところは、ここに男性がいれば目が行ってしまうような申し分ないスタイルをしていた。


女性の名前は明日香といった。

明日香はとある会社で事務仕事をするOLだが、今日は休日だったため、化粧をしているのは会社に行くためではなかった。

明日香が今着ている服はいわゆる「魔法少女モノ」のアニメに出てくる衣装だった。

アニメそっくりに作られた衣装──パステルカラーの薄いピンクに白の入ったフリルのスカート、これみよがしにつけられた大きなリボン、肩を出して肌が強調され、胸元はハート型にカットされたビスチェのようなデザインになっていた。

このような「わざとらしい」ファッションをしていても違和感のないくらいそれが似合ってしまうのは、明日香がそれだけ現実離れした美しさを持った女であることを示していた。


明日香がしているメイクも普段会社に行くときとは違うメイクだった。目を強調して大きく見せ、全体的に濃い目のメイク。もともと長いまつげとぱっちりとした目が、メイクで付けまつ毛を付け強調されることによってさらに可愛らしさを印象づけていた。

メイクをしたあとウィッグをつけるのだろうか?髪はウィッグ用のネットの中にまとめられていたが、栗色でつややかな質感をしていることはネット越しにもわかるほどで、明日香が普段から羨望の対象になる美しさを持っていることは明らかだった。


「ふふっ」

化粧を終えたのか、明日香の口元が緩む。

「ふふっ、くふふ、ひひ、ひひひひひ」

明日香がその美しい顔を歪ませて笑う。もう一度鏡を確認するように、舐め回すように覗き込む。

「おーやべー、可愛いじゃん明日香ちゃん」

明日香が言う。自分のことを「明日香ちゃん」と呼びつつ、明日香はウィッグをかぶる。

ウィッグは衣装のピンクに合うような、これもまた現実離れしたウィッグであったが、慣れた手付きで明日香がウィッグをかぶると、鏡の中にはまるで魔法少女のアニメから飛び出してきたかのような、小柄で可憐な少女が映っていた。

再度、鏡の中の明日香が顔を歪ませて笑う。


「いやあ、明日香ちゃん可愛いのに、これまでコスプレをやってこなかったなんて勿体ないよ」

明日香はそう言いながらニヤニヤとした表情のまま、鏡台に置いてあった純白の手袋を手に付けていった。これも衣装の一つだろう。


明日香は、昨日までは明日香ではなかった。

いや、正確に言えば「今の明日香が本当の明日香ではない」といえるだろうか?

今明日香の中に入っている「意識」は、40代の中年に差し掛かったサラリーマンの、茂雄のものだった。


明日香と茂雄は会社の同僚にあたるが、茂雄は仕事でうだつの上がらない万年平社員の中年オヤジであった。それだけではなく、でっぷりと太った腹で、だらしない身体をしているうえ、蛇のような目で舐め回すようにいつも女性社員の胸やお尻のあたりを見ている茂雄を明日香は軽蔑していた。


そんな茂雄と明日香だったが、昨日会社から帰る際に、明日香と茂雄は階段から落ちて入れ替わってしまったのだ。

当然驚愕し、その場で頭をぶつけてみるなど様々なことを試してみた二人だったがもとに戻らず、

明日香の身体に入った茂雄は、明日香の部屋に戻ってまた次の日考えることを提案したのだが、

茂雄の身体に入った明日香はそれを拒否。お互いの荷物に入っていた鍵を交換し、明日香の身体の茂雄は、茂雄の家に。茂雄の身体の明日香は、明日香の家に帰宅したのだった。


それなのにも関わらず、なぜ男の茂雄の家に鏡台や化粧道具、ましてやコスプレの衣装があるのかといえば、

茂雄がコスプレの趣味を持っており、特に女装コスプレを趣味にしていたからだった。


「いやあ、明日香ちゃん本当に可愛いよ。こりゃあ、返さなくてもいいかもしれないな」

満足気に明日香──いや、茂雄はつぶやいた。

「俺、いままで似合わないことはわかってたけどコスプレをやってきたんだよな。でも、今は違うぞ」

茂雄は自分の女の身体を触りながら言う。

本来の明日香はアニメも見たことがないし、どちらかというとメイクも薄く済ませてしまうような(それでも十分すぎるほどの美貌の持ち主だったともいえる)、言ってみればコスプレとは全く縁のないところに生きてきた女子だった。

しかし、こうして身体の「持ち主」が茂雄になってしまい、その手でメイクが施され衣装を身に着けてみると、おそらくこの格好でイベントなどに出かけていけば、たちまち大勢のカメラマンに囲まれて写真撮影をせがまれるのは確実であろうというほど似合っていたのは、皮肉というほかなかった。


「サイズが合わなくて着られなかったこの衣装も、俺によく似合ってるじゃないか。これからはこの身体で思い切り女装コスプレを楽しむんだ……おっと、もう俺は女なんだからこの場合は女装って言わないのかな?へへへっ」


軽口を叩きながら、茂雄は明日香の身体をくるりと一回転させた。魔法少女の衣装のスカートが回転に合わせてふわっと揺れた。

「おお、身体も軽い軽い。さて、元・明日香ちゃんは今何をやっているのかな」

などと言っていると、インターホンが鳴った。

「ん、誰だ、なにか荷物が来たのか?頼んでないと思うんだが……」

明日香の身体でぱたぱたと足音を立てながら、玄関まで行き外の様子をドア越しに覗いた茂雄は驚愕した。

「あ、明日香ちゃん!?」


そう、そこに立っていたのは自分──茂雄の身体をした明日香だったのだ。

怪訝そうな顔をして立っていた。


恐る恐るドアを開けると、ドカドカと茂雄の身体になった明日香が入ってきた。


「あ、明日香ちゃん?違うんだこれには訳があって……」

などと慌てた様子で取り繕おうとする茂雄に対し、茂雄の身体になってしまった明日香はまた不思議そうな顔を浮かべたあと、ニヤリと笑い、蛇のような目で、本来の自分の身体を、白い肩を、胸元を、唇を、舐め回すように交互に見ていった。


茂雄はぞっ、と身の毛がよだつのを感じた。これまで中年男性であった茂雄は、明日香の20代前半の女の身体になるまでこのような感覚を味わったことがなかった。

「明日香ちゃん、どう──」

どうしたの、と言いかけたところを遮られた。

「明日香ちゃん?って、君が明日香ちゃんだろ?なんで君が俺の家にいるんだ?」

「へっ?」

「俺、気がついたら明日香ちゃんの家にいたんだ。記憶がないんだけど、俺、君となにかしたんだっけ?もしかしてイケナイ関係になっちゃったのかな?へへへ。君の部屋、女の子の匂いっていうのかな?すごくいい匂いがしたから、俺我慢できずに一発ヌイてきちゃったよ。それで俺の家に戻ってきたら、明日香ちゃんがいるじゃないか。これはどういうことなんだ?しかも、俺の衣装着てるしさあ。明日香ちゃんコスプレとかやる子だったの?ていうか俺の趣味バレちゃったね」

早口でツバをとばしながらまくしたてる口調は茂雄そのもので、明日香が茂雄になりすます演技をしているとは考えにくかった。

客観的に見ると俺ってこんなに気持ち悪いのか。茂雄は明日香になった顔を不快感で曇らせながら考えた。

もしかすると、なにかの拍子に明日香ちゃんは俺の身体に宿った記憶みたいなものに、意識が飲み込まれてしまったんだろうか。だとすると、話を合わせたほうがいいな。


「は、はい、茂雄さんと私、昨日から付き合うことになったじゃないですかぁ。それで、一回私の家でお泊りするってことになったんですけど、茂雄さんが私にコスプレしてほしいっていうから、茂雄さんから鍵をもらって……それで、ここでこうして衣装を着てたんですぅ」


こんな感じかな?と茂雄は女の口調を真似しながら答えた。


明日香──いや、もう茂雄の身体の意識に飲み込まれてしまったとするなら、これもまた茂雄と呼ぶべきなのだろうか──は一瞬驚いた顔を浮かべたが、すぐに下卑た笑いを浮かべながら言った。

「そうなんだ?俺は全然覚えてないけど……じゃあ」

と、ガバッっと急に明日香に抱きついた。


「!?」

明日香の身体をよじって逃げようとするが、びくともしないことに茂雄ははじめて女の恐怖を覚えた。

そのまま、無理やり、元・自分の身体の舌を自分の口にねじ込まれる。

元自分の下半身の肉棒が、今の自分の柔らかな太ももにあたっているような感触がした。

いや、どちらかというと、茂雄の身体のいきり立ったペニスが、自分の太ももにこすりつけられている、といったほうが良かった。


「明日香ちゃん、こんなことしても怒らないってこと?俺、明日香ちゃんの彼氏なんだよね?」

「え、えっと……それは」

困ります、と言おうとして、今や明日香になった茂雄は少し興味を持っている自分にも気づいていた。

(女の身体ってどんな感じなんだ?俺の元の身体とヤっちゃったとしても……それってオナニーみたいなもんだよな?他の男とするのは嫌だけど、俺自身の身体なら……)


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と、ここまで書いて一旦力尽きたので一旦ボツです。

一旦FANBOXで供養します。。。もしなんか続きみたいって人がいたら書くかも


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