【裏話プラン以上限定】ちょい長めの妄想、前半部分のみ
Added 2018-10-08 04:33:22 +0000 UTC皮モノの合同誌に投稿しよう!ということで突然降りてきたアイデアを文字化。前半部分のみ。続きは二熊さんの皮モノ合同誌でやる予定ですっ! * 私は今、どこにいるのだろう。 意識が戻って最初に思ったことはそれだった。 冷たい板の床で、私は寝そべっていた。まだぼんやりとした頭で、ここは私の部屋ではないということだけはわかった。私の部屋の床はじゅうたんを敷いているから、こんなに床の感触を直に感じることはないはずだ。 そうこうしているうちに意識が戻ってくる。あわてて身を起こす。 「ここ、どこ……?」 見回して私はゾッとした。殺風景で狭苦しい、汚いアパートの一室。脱ぎ散らかされた男の衣類。ここは男の部屋だ。そうわかると、私は思わず自分の身体を確かめた。服は着ている。少しシワになってしまっているけど、それはきっと寝そべっている時に付いてしまったのだろう。乱暴されたような形跡もない。私はホッと胸を撫で下ろした。 この部屋は一部屋しかないようで、すぐに玄関が見えた。視界に入っている範囲では人影もない。この部屋の主はどこへ行ってしまったのだろう。そもそも私はどうしてここへ。女の私が自ら進んで彼氏でもない男の家に来るわけはないと思えた。アルコールも飲んだ記憶がない。とすれば。 「誰かが私をここに連れてきた……?」 そう考えるのが自然だった。焦りながら、混濁している記憶を探る。私はハッとした。 「私、あの男に変な注射をされて」 そのあとは恐怖で言葉にならなかった。決して不用心だったわけではない。けど、タチの悪いストーカーにあとをつけられていたのに全く気付かなかったのは悔やんでももう遅い。私がドアを開けて家に入ろうとするなり、その小太りの男は私の肩を掴み、ドアを開けて部屋の中まで押しいってきたのだ。 殺される。その男は女の私より体格はとても大きく、力でかないようがないことはすぐに分かった。私は恐怖で顔を引きつらせて、声を出すことすらできなかった。 男は興奮しながら自分のポケットに手を入れ、注射器を取り出した。それが私の腕に刺されて── そこまでが私の思い出せる記憶だった。ここはあの男の部屋に違いない。私はあの注射で眠らされてここまで連れ去られてしまったのだ。私は恐怖で歯をかちかちと鳴らしながらも、よろよろと立ち上がった。とにかくここから逃げなくては。 私の靴はそこには当然無かったから、裸足で外に出ざるを得なかった。素足に小石の感覚を感じながら外に出て一目散にアパートの階段まで走る。誰かに見張られているのではないかと心配していたけど、周囲に人影はなかった。 近くにタクシーが走ってきた。私はなんとか呼び止め、乗り込む。家まで行ってもらおうとして私は気づく。もしかしたら、あのストーカー男は私の部屋にまだ居るのかもしれない。駄目だ。あの部屋に1人では戻れない。 私はタクシーの運転手に、彼氏の隆太の家を行き先に告げる。震える手で、隆太に電話をかけ、事情を話す。 タクシーを降りると、家の前で隆太が待っていた。 「唯、大丈夫か」 私は何も言わず隆太に抱きつく。ホッとして力が抜けたのか、自分の力だけで立つことができない。 結局その日は隆太に一晩泊めてもらった。不安で仕方なかったけど、隆太がずっと強く抱きしめていてくれたから少しだけ安心できた。 翌日は日曜日だったから、隆太に付いてきてもらって私の部屋まで行った。鍵はあの時から掛けていないから空いていた。私のハンドバッグはあの時のまま玄関に置いてあったけど、特に何も奪われていなかった。 「唯、盗られてるものとかなさそうか?」 「うん、大丈夫みたい。ありがとう、隆太」 私は弱々しく笑顔を作った。私の下着とかも確かめてみたけど、私の記憶の範囲では盗られているようなものはなかった。 次の日からは、緩やかに日常が戻ってきた。私は何事もなかったように会社に行き、いつもの仕事をこなした。流石に前日までのことが堪えていて、少し仕事もぎこちなかった。隆太は同じ会社の先輩にあたる人だったから、帰りは待ち合わせてなるべく一緒に帰るようにしていたからか、そのあとストーカーも一度も現れることはなかった。 でも、「あの日から何かが変だ」と、私の直感は訴え続けていた。その違和感がなんなのか、しばらくは正体がわからなかった。でも、仕事の時も、帰ってからシャワーを浴び、パジャマに着替えて彼氏とメッセージをやり取りしている時も、その違和感は付きまとっていた。 すべてが、新鮮すぎるのだ。私の記憶の中には、確かにこれがいつもの日常だという認識がある。でも、いざその「日常」に浸かってみると、まるでそれが「初めての体験」のような、とても新鮮で不思議な感覚に陥るのだった。 特にそれは、鏡で自分の姿を見たときに顕著に現れた。鏡に映っているのが、20代の女である私であることは普通なはずなのに、見慣れた私自身のはずなのに、妙に新鮮な気分で自分の身体や衣服を凝視してしまう。 私は自分の身体をねっとりと眺めながら、なるべく艶めかしくその服を一枚ずつ脱ぎ捨てていった。その度に私の内面で、爆発するような、抑えの効かない衝動のような妙な興奮があった。下着に収まった自分の胸を上から眺める。ネットのエロ画像で見るのとは違う、生のおっぱいがそこにはあった。思わず、おお、とため息のような声が漏れる。 私は恥ずかしいことに、自分の身体を鏡で眺めながら自分を慰めてしまった。こんなことは記憶の中にもない、初めてのことだ。でも私は恥ずかしい気分の他に、自分のシミひとつない綺麗な身体を見て昂ぶっている自分の気持ちを発見していた。鏡越しに自分とキスをする。自分の舌を全て舐めとってしまうかのように、鏡に映った自分の舌を舐め回す。そうしながら濡れた股間をいじると、「記憶の上では知っていたが未体験の」快感が私を支配した。その快感に溺れている顔があまりに煽情的で、私は自分の顔を見ながら何回も絶頂に達した。 (前半終わり)